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独自の技術領域を極め続ける 〜Jスタ新潟・経営者インタビュー④ 株式会社ガゾウ〜
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独自の技術領域を極め続ける 〜Jスタ新潟・経営者インタビュー④ 株式会社ガゾウ〜

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今回は「J-Startup NIIGATA(以下、Jスタ新潟)」の選定企業である、株式会社ガゾウの特集記事をお届けします。

Jスタ新潟
地域に根ざしたイノベーティブなスタートアップ企業を、新潟県と関東経済産業局等が選定。公的機関と民間企業が連携して集中的に支援することで、選定企業の飛躍的な成長と、新潟のスタートアップエコシステムの強化を目指す取り組み。

▼設立趣旨などについては、下記HPもご覧ください。



株式会社ガゾウ代表取締役 金田 篤幸さん

〈プロフィール〉
金田 篤幸
新潟県出身、「興味のあるおもしろいことを常に実現する」という理念の元、画像処理技術に特化した事業を展開する株式会社ガゾウの代表取締役

株式会社ガゾウについて

ーーまず初めに、御社の事業について教えて下さい。
株式会社ガゾウは、2017年に県内の画像処理会社から独立して起業した、画像処理技術を応用して機器の開発と販売を行うメーカーです。

ソフトかハードのどちらかに特化した企業が多い中、弊社は画像処理技術を専門にすることで、ソフトとハードの双方を一貫して開発できます。社内で完結してソフトとハードを組み合わせ、「デバイス」にまで仕上げられるのが、弊社独自の強みだと考えています。

「興味のあるおもしろいことを常に実現する」という理念の元、日々研究開発に取り組み、より良い製品の開発に取り組んでいます。実際には、眼科で視力検査をする際に使用する特殊なカメラの製作だったり、工場で車のギアの傷を自動で認識するシステムの開発、文字の認識を主とした検品作業を行える技術などを開発・販売しています。


全国的に見てもユニークな専門分野

ーー視線解析技術はどんな領域で活用されているんですか? 
これらの画像処理や、カメラの技術を組み合わせて始めたのが、「視線解析」です。人の目の瞳孔の位置を計測することによって、「人間の視線」を導き出すことができます。

中でも目下力を入れているのは、マーケティングの分野での利用です。消費者の視線を解析することにより、購買行動の分析を行うことが可能で、視線から消費者の考えを求めることで、効果的なマーケティングができるようになると考えています。より購買衝動に訴えかける陳列やパッケージ、また最適なPOPはどのようなものかなどを、視線解析によって明らかにすることができます。

ーー視線解析って色々なところに応用できそうですよね。
まさにその通りで、お客様から「こんなことをしたい」という様々な要望をいただくんですが、最近その中でも「視線解析によって、熟練の技能を分析したい」というご相談が増えてきています。プロスポーツ選手の動きやベテラン職人の技術を、視線から解析することによって、若手育成の役に立てたいというご相談が増えてきています。

以前そんなご相談の内のひとつで、「熟練の農家さんの視線の動かし方」を計測させていただいたことがあります。調査の結果、ベテランの方は目の使い方に一切無駄がなく、瞬時に熟したトマトを選別して収穫していることが分かりました。トマトを取っている時には、次に収穫するものを見ているんです。視線解析によって得られたベテランやプロの技術を、若手の教育に繋げられるようなサービスを展開していきたいと考えています。

ーー技術承継にまで活用が可能なんですね。
そうですね。ただ視線解析で難しいのは、「現状」どうなっているかの解析はできるけれども、どうしたらその熟練度に到達できるかという「経過」の推測ができないところです。ここはまた別の技術だったり、コンサル力が必要になってきますね。

また、基本的には画像処理技術を利用するとなると、費用がどうしても高額になってしまいがちです。結果、一般的な企業さんには活用していただきにくいという現状があります。大手企業さん向けの開発が多く、実際に色々な企業さんの運用に使っていただくことが難しいという実情を変えていきたいですね。みなさんにご利用いただけるよう、機能を削ぎ落とし、無駄を省くことでより低価格でのサービス運用ができるよう努力している最中です。

ーー現在開発中のサービスなどはあるんですか?
遠方の人にwebカメラと視点を使って指示を出せるという技術があります。この技術ではZOOMを利用し、現地で作業している人が何/どこを見ているのかを、遠方から映像を通して確認できるようになります。作業者が見ているものが分かるため、指示語の「あれ」とか「それ」といった言葉が使えるようになるんです。「それの右」とか「下の黒いやつ」みたいな感じですね。

実は工場には、名前の分からない工具がたくさんあったりするんですが、この技術を使うことによりコミュニケーションをより円滑に行うことができます。まずはこの技術を県内から広めていきたいと考えています。デバイスを作業現場に送ることで、例えば国内の本社から海外の拠点に、視線を活用した指示を出すことも可能なため、ゆくゆくは色々な方面に展開ができると考えています。

独自の領域を突き詰める意義とは

ーー画像処理の強みって何だと思いますか?
「人間ができることに近いことがいえる」ことです。画像・映像の解析以外にも、例えば ”音” だったり、 ”触覚”だったり、他にも色々な分析方法があるのですが、それらの分析結果は人間の感覚とはちょっと違ってくるんです。それに対して「映像」の解析の場合は人間の感覚に近く、解析結果を実生活の技術に応用できることに加え、そこから色々な活用がしやすいんです。

人間の得る情報の約80%は視界からだと言われています。それだけの情報量を、人が感じているのにより近い形で解析できるという部分が、「映像を解析できることの強み」と言えると思います。

ーー事業を進める上で難しさを感じることはありますか?
お渡しした完成物が、先方の想定物と乖離があるような場合ですね。「文字」や「色」の解析の場合は、こちらと先方の認識が一致しやすいのですが、工場の自動化に伴って製品の傷等を判別するような例に関しては、イレギュラーが発生しやすいです。そのため、クライアントとゴールを正確に一致させるということが大事です。

また、先方のやりたいことが曖昧な場合もあるため、事前にゴールの言語化をすることも大切にしています。お客様の中でやりたいことが完璧には言語化できていない場合もあるので、ヒアリングの深さも大事にしているポイントです。

今後の展望について

ーー今後強化していきたいことや事業の展望を教えて下さい。
これはちょっと概念的な話にはなるのですが、「人間の内面って終わりがないからこそ面白い」と感じています。今後の研究開発としては、脳波を組み合わせたものを進めていきたいと考えています。事業展開の方面では、既存のいくつかの機能を切り落とし、売り切り型ではなく広く普及させられるようなサービスとして画像解析技術を転換し、提供していきたいと考えています。


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