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【SN@P新潟支援パートナー特集】02_弁護士法人中村・大城国際法律事務所

今回は『にいがたでの創業を応援するSN@P支援パートナー』をテーマに、第1回に続き、支援パートナーである弁護士法人中村・大城国際法律事務所の中村 崇弁護士にお話を伺いました。一般企業の経営者とはまた違った目線から感じたSN@Pの魅力や、支援内容について深堀りします!(以下、敬称略。)

SN@P
スナップ新潟。地方から起業と高成長に挑戦する環境を提供するコミュニティ。実績ある先輩起業家からの評価を信頼スコアとして貯金・換金して起業や事業推進に活かすスナップコインサービスの提供も行う。新潟県が設置した民間スタートアップ拠点の中核拠点。

<プロフィール>
中村 崇(なかむら たかし)
新潟県旧西蒲原郡黒埼町出身。2007年に新潟へUターンし、2010年に独立開業。2021年に弁護士法人中村・大城国際法律事務所を開設し、現在はスタートアップ支援事業にも力を入れている。

中村・大城国際法律事務所について

ーー初めに、中村さんと法律事務所について教えてください。
中村:私は新潟県旧西蒲原郡黒埼町(現新潟市西区)出身で、高校までを新潟で育ち、大学から東京に進学しました。26歳で司法試験に合格して28歳で弁護士になり、当時、世界最大規模の外資系法律事務所の東京オフィスで3年間勤務した後に31歳で新潟にUターンしました。2010年に新潟市内において独立開業し、今に至ります。今年で弁護士になって18年目ですね。

現事務所は少しずつ弁護士が増えてきて現在は新潟オフィスと東京オフィスを合わせて9名(新潟オフィス 8 名、東京オフィス 1 名)の弁護士が所属しています。新潟に事務所があって東京に支店を出しているという法律事務所は珍しいので、そこも強みと言えますね。

ーー中村さんのUターンの理由はなんだったのでしょうか?
中村:全国で約4万数千人いる弁護士の半分近くが東京にいるのと比べ、新潟は約290人です。そのため、東京だと one of them になりかねませんが、新潟だと個性が重視される傾向があるので色々なフィールドで活動できると思います。また、人間関係も密になるので経営者との関係も深めることができる点も新潟の魅力の一つです。

業務の内容としては企業法務に力を入れていて、最近多いのは会社の労務管理ですね。従業員とのハラスメントトラブルや、トラブルを事前に防ぐための就業規則をどう作ったら良いのかなどの相談が多いです。SN@Pで言えば、投資家から出資を受け時の投資契約書を作りたいといった時に当事務所を紹介して頂くことが増えてきていますね。

私の父親もかつては会社を経営していたので経営者の近くで育ったこと、そして自分自身も法律事務所を経営していて、経営者の気持ちを理解しやすいことも強みのひとつです。


SN@P新潟の支援パートナーとして

ーーSN@P新潟の支援パートナーになるきっかけを教えてください。

中村:SN@P新潟の逸見社長とは株式会社けんと放送からのご縁ですが、SN@P新潟に関して言うと、コイン(SN@P coin)を使った評価スキームを一緒に検討させて頂いたのがお付き合いの始まりです。

コインを使って起業家支援をするモデルを考えているという立ち上げ段階のお話しでしたが、コインに換金性があると資金決済法の検討等が必要になるので、そういった法律上の問題をクリアにするご相談をお受けしました。

最初はSN@P新潟本体とのお付き合いでしたが、SN@P新潟が大きくなってくるにつれて起業家予備軍の方たちから法律的なことを聞かれるようになったことが増えたため、今年の2月から本格的な支援パートナーになりました。

SN@P新潟の支援パートナーになってからは、若者が地元の活性化のために起業をするという、自分が20代の時には到底考えられなかった世界に驚いていますし、サウナ好きが一緒に出掛けるなど同好会的な面もあってシンプルに楽しんでいます(笑)

SN@P支援パートナー
SN@Pサロン支援パートナーは「地域経済が元気で活力のある新潟」の実現、起業促進活動、新規事業促進活動の支援を、スナップ新潟と共同で取り組むことを目的としています。
SN@Pサロン支援パートナーは、SN@Pサロンにおいて、起業や新規事業立上げを目指している登録者へのアドバイス、及びSN@Pコインによる評価をすることができます。




パートナーとしての支援内容

ーーSN@P新潟のメンバーになった場合、中村さんからはどのような支援をして頂けるのでしょうか?
中村:
事業が始まってから一番初めの契約書となると『秘密保持契約書』になると思います。例えば、「取引先から秘密保持契約書が送られて来たけれど、これってそのまま判子を押していいの?」などの相談が出発になるかもしれませんね。あとはビジネスモデルが法律に引っかからないかなどのスキームを検討して、アドバイスすることもあります。

また、スタートアップ企業では仲間や友人と一緒に会社を立ち上げるケースは少なくないと思うのですが、株式を誰が何%持つだとか、株式を分け合った後の株主間契約のご相談などが多いです。

ーーSN@P新潟のメンバーになっているとなっていないで受けられるサービスの違いはありますか?
中村:ひとつに、SN@P新潟からの紹介という信頼性があるので、初めましての相談時でも非常にスムーズに導入できることだと思います。

私の事務所では、基本的には、最初は一度、実際に事務所に来て頂きお会いしているのですが、SN@P新潟からの紹介となるとSN@P 新潟から『このメンバーはこんな事業をしていて、こんなことに悩んでいるらしい』と繋いでくれますし、SN@P 新潟の信頼があるので、最初からオンラインでやりましょうということが多いです。これはSN@P新潟でしかありえないことですね。

また、スタートアップ企業はマネタイズに時間がかかるので、かなり柔軟にカスタマイズした価格設定を提供しています。スタートアップ支援については、私自身、社会奉仕的な活動(プロボノ活動)という意義を持っているので、新潟の活性化のために行動する若い起業家の支援をさせて頂けていることが自分の自己実現にも繋がっているのだと思います。


弁護士×スタートアップ企業

ーースタートアップ支援をしている弁護士さんって珍しいですよね。
中村:新潟ではスタートアップ支援をしている弁護士は少ないと思います。そこで「支援に力をいれている」と言うと名前を憶えて頂いて、そこから相談のお問合わせを頂くこともあります。

頑張って活動すれば、人との繋がりが作りやすいのが地方の強みですね。新潟はスタートアップ界隈の人達と知り合う機会がたくさんあり、横の繋がりが築けます。ここは東京とは大きく違うところだと思いますね。

ーー弁護士がスタートアップ支援に力を入れていないのは全国的なことなのでしょうか?
中村:正直に言って、現状ではそうですね。スタートアップ支援で弁護士が何ができるの?と聞かれたり、そう思う人も少なくありません。弁護士側からしても、伝統的に扱ってきた分野ではないので弁護士側もうまく説明することができないと思いますし、その意味で参入しにくい分野だと思います。

私がスタートアップ支援に関与できたのは、逸見さんとの出会いが大きいです。また、去年事務所を統合した東京オフィスの大城弁護士が東京でスタートアップ支援事業に力を入れていることも大きいですね。

今年1月にうちの事務所に入った弁護士も、東京のスタートアップ支援専門の事務所で働いたことがある人なので、大きな戦力になってくれています。

ーー弁護士に相談するってなんだかハードルが高いようにも感じますが…
中村:
まず、不安に思っていることは率直に聞いてほしいです。『これって弁護士に聞くことなのかな?それとも税理士?司法書士?弁理士?』と考えてもらう必要もありません。
悩みを聞いた時にそれは誰に聞いた方がいい問題だね、と話を整理して切り分けることは弁護士の得意分野です!

うちの事務所も税理士、司法書士、弁理士と連携しているのでそのまま紹介できますし、フラットに相談して頂きたいです。


未来の起業家たちに向けて

ーー弁護士目線から、これから起業する若者に対して気を付けたほうが良いポイントはありますか?
中村:友人や知人と一緒に経営を始められた時に、『そもそも株を分け合うのか』『持つ割合はどの程度にするのか』などの資本構成は会社を立ち上げた時から意識的に計画を立てたほうがいいですね。将来的に外部から資本が入ってくる時に、ファンドから嫌がられる点になりえたり、上場する時のネックになったりします。

それと、企業には従業員についての労働時間を管理しなければならないという義務があります。管理方法は色々ありますが、タイムカードを押したり、パソコンのログインログオフを管理するなど、従業員がひとりでもその点はしっかり管理しなければいけないですね。

ーーありがとうございました!最後にSN@P新潟の魅力を教えてください。
中村:支援パートナーの目線になりますが、私を含め、SN@P新潟の支援パートナーは新潟の活性化、そして起業家の力になりたいという気持ちがあるメンバーが集まっています。そういった方たちと繋がれる場所はとても恵まれていると思いますし、入会料金無料なので入らない理由がないと思います!



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