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ふるさとがほしいあなたへ

上京して四十年、一度も帰ろうとしなかった郷里で私を温かく迎えてくれたのは、名前も知らない〈母〉でした――。

新潮社 浅田次郎「母の待つ里

こんにちは!にいがたグリーン・ツーリズムセンターの担当Iです。
皆さんは、『母の待つ里』読みましたか?

トップの写真は、『門出かやぶきの里(柏崎市)』です。
田舎に育ったわたしにとって当たり前に存在しているふるさと。地名を聞くだけで無性に帰りたくなり、彼岸を堂々と帰郷の口実にする、とても便利とは言えない場所。今、そんなふるさとを持たない人が増えています。

そこで今日はふるさとがほしい方、必見です。あなたのふるさととして新潟が手を挙げたいというお話です。

「おかえり」と迎えてくれる場所。あなたをやさしく受け入れてくれる父ちゃんと母ちゃんがいる、心のふるさとはいかがでしょうか?

新潟県内では20年以上前から、都会の子どもたちを受け入れる取組が行われてきました。少人数でホームステイ。長いと1週間くらい泊まって農作業や暮らしを体験します。本当の親のように、祖父母のように振る舞うホストファミリーに子どもたちも心を開いていきます。

十日町市中条甲

こんなに空は広いのかと気づかせてくれる畑に連れて行ってもらって、「これはナスの葉っぱ。これはオクラ。」と、スーパーでは見ることのできない野菜の葉っぱを教えてもらう。真っ赤な夕暮れの中、刈り取られた稲わらの匂いで季節を感じる。全身で山から吹きおろす冷たい風を感じる。

南魚沼市石打

都会から来た子どもたちは、あるがままの自然に背中を押されて、親や先生には言えないことを仲良くなった田舎のホストファミリーに話してくれると言います。将来の夢や日々の暮らしのことを...

その子どもたちにとって、新潟の知らなかった小さな町は、ふるさとになります。生まれたところだけがふるさとじゃない。会いたい人がいる。懐かしい景色が見たい。それが心のふるさとです。川に帰る鮭のように家族を連れて、友達を連れて、都会のこどもたちは新潟の小さな町に帰ってくるのです。

このような取組は、県内の多くの地域で行われています。
妙高市は、その中の一つです。

初日と最終日では子どもたちの顔つきが変わる姿をたくさん見てきたと言う妙高市グリーン・ツーリズム推進協議会事務局の宮下さん。以下の記事では、体験ツアーとともにその理由を解説しています。

ふるさと体験妙高もぜひご覧ください。

新潟県内で子どもたちの受け入れを行っているほかの団体についても以下のページでご紹介しています。

なーんだ子どもだけか。と思ってしまった方。ご安心ください。農家民宿は、大人も受け入れてくれます。
子どもたちはもちろんですが、せわしなく過ぎていく日々に疲れた方にもってこい。大人になってからでも母ちゃんや父ちゃんに会える宿があなたを待っています。

県内には、そうした農家民宿で構成される「新潟ふるさと民宿連絡協議会」があり、現在は約70軒が加入しています。 

農家民宿ほほえみ荘(上越市牧区)

ここに加入している宿には基本理念があり、それに賛同する多くのリピーターが通っています。

自然の営みと経験から得た五感を大切に、自然と協調し、対話する場を大切に守り、受け継いでいくことで本当の豊かさを享受する場をつくる。
我々は、「自然と会話する」ことで「かあちゃんの笑顔」と「ごっつお」でもてなす。そこに決してシステム化、効率化を追いかけない。
農山漁村が単に食料基地という役割でなく、都市住民の「心と体」をケアする日本の胎内としての役割を持ち、社会に貢献し、その真価を誇りとしていく。

新潟県ふるさと民宿連絡協議会基本理念

次回からはさまざまな農家民宿をご紹介していきたいと思います。

次回まで待てない!今すぐふるさとをつくりたい!

そんな時は、にいがたグリーンツーリズムセンターにお気軽にお申し付けください。
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