【県庁のしごとvol.5】新潟が選ばれる港になるために!交通政策局港湾振興課
採用担当Sです。
新潟県庁の知られざる一般行政・一般事務職のおしごとを紹介していくシリーズ、今回は交通政策局です。
交通政策局は、県内交通網の拠点性の向上を目指し、交通ネットワークの整備や利用促進を担う部署です。
港湾や空港は、人やものを集め、呼び込み、県内の観光や産業へ誘導する、まさに新潟の玄関口。
そこで、港湾振興課の「クルーズ船」誘致に奔走する、行政職員の方にお話を伺いました!
1 自己紹介
Tと名乗らせていただきます。
交通政策局港湾振興課で「クルーズ船」の担当をしています。
今年で入庁9年目。福祉保健部2年(医療・福祉の企画や統計)、十日町地域振興局3年(県税)、産業労働部2年(1年目庶務→2年目マクロ経済、経済団体との調整など)と異動し、現所属に来て2年目(1年目離島航路担当→2年目クルーズ担当)となりました。
2 交通政策局・港湾振興課の仕事
交通政策局のミッションは、ざっくり分けると2種類あります。
①鉄道、バス、タクシー、離島航路(佐渡や粟島と本土を結ぶ航路)に関すること
②港湾や空港の利用促進や整備に関すること
私の所属「港湾振興課」では、クルーズ船の誘致・受入れ、コンテナ貨物の取扱量拡大、万代島のにぎわい創出、離島航路の維持確保・利用促進を担っています。
新潟を選んでもらう
新潟の港をいかに使ってもらうか、いかに港周辺のにぎわいを創出するか。私たちはそれを実現するための、いわば営業部隊です。
3 クルーズ船とポートセールスの世界(私の仕事)
クルーズ船って?
クルーズとは、レジャーを目的とした船旅のこと。
クルーズ船にはレストランやバー、フィットネスクラブやプール、カジノなどの設備のほか、たくさんのクルーも乗船しており、不自由のない環境で快適に過ごせるようになっています。
出航したら船内を楽しんで、自室で眠ったら朝には次の港に到着して観光する。夕方に船に戻って、また次の港へ…。移動がレジャーなので、ずっと楽しい贅沢な旅です。古くはタイタニック、現代の日本では飛鳥Ⅱ、ダイヤモンド・プリンセス、MSCベリッシマなどが有名でしょうか。
誘致って?~新潟を選んでもらうために~
ポートセールスといって、商材(県内の港と、新潟でできる体験)を、取引先(船社や、クルーズ船を下りた乗客用のツアーを作る旅行会社など)に説明し、使ってもらえるようにする仕事です。
国内はもちろん海外での展示会に出展したり、船社を直接訪問したり、海外船社のキーパーソン(寄港地や寄港地観光の決定権がある人)を日本に招待し、県内の港や観光地を案内したりといった仕事があります。
受入れって?~新潟を楽しんでもらうために~
新潟を選んでくれたクルーズ船の寄港予約が入ってから実際に入港するまでの一連の調整や、当日のお出迎えのことをいいます。
寄港に向けた準備としては、乗客用マップの作成、観光案内等設置の計画、初寄港歓迎式典の調整など。
当日の地酒のふるまいイベントなどでは、外国人のお客さんと直接コミュニケーションを取ります。また、船内のイベントで「鏡割り」をするための酒樽を船内に運んだりすることもありました。
具体的な仕事の様子は?
まず船社の動向や特性を情報収集し、それに見合った新潟のコンテンツをピックアップして資料を作ります。準備ができたらいざ売り込み。
相手に合わせて、自分の言葉で、新潟の魅力をいかに伝えるかが鍵となります。人と人とのやりとりなので、自分らしさを出すことも大事だと考えています。
国内の展示会での商談の様子です。相手の様子を見ながら、次は何を説明しようか考えています。対話というのは本当に難しいです。
県内視察の様子です。相手の要望に合わせて自分で行程を組んで、アポを取って、実際に見てもらいます。移動中もコンテンツの使い方や行程の相談に乗ったりします。実際のお客さんが来たときにどう使ってもらうかのイメージを持ってもらうことが大事です。
寄港当日はどれだけ準備してもあらゆる事態(?)が発生するので、ふ頭を駆け回ります。無事出航したときは、何度目であっても毎回感動します。
仕事への思いは?
難しいけどおもしろい仕事です。
前例どおりの仕事というのは多くありません。結果がいつ結ばれるかわからないし、セールス中に「あ~ダメだ」と思うことも何度もあります。
でも、自分が携わった新しいコンテンツが実際のツアーとして採用されたときの嬉しさは言葉にできないくらいでした(胸を撫でおろしました)。調整が難航した船が無事着岸し、乗客の皆さんの笑顔が見られたときの嬉しさもひとしおでした。
ここで出会うクルーズ船は、新潟を「選んでくれている」わけです。クルーズ船はレジャーを目的とした乗り物ですから、下りてくる人たちは、多かれ少なかれ新潟を楽しみにしている。私たちの仕事は、その期待に応えるためにあります。
4 私自身のこと
十日町に赴任した年に「大地の芸術祭2018」が開催されました。ドハマりのあまり、96か所もの作品を見て回りました。ご飯が美味しいし、税金の仕事をしていても嫌われるどころか温かくしてくれる人ばかりで、本当にいいところでした。
2019年に、県庁の研修プログラムで南魚沼市浦佐の国際大学(IUJ)での語学研修(IEP)に参加し、様々な国の政府や日本の企業から来た学生と、一つ屋根の下2か月間過ごしました。英語力ギリギリで手挙げしたので、無事に修了するため毎晩深夜まで半泣きで勉強しました。
Student Committee(参加は挙手制で、アクティビティ企画やクラスTシャツ制作など、班に分かれて活動する組織)があり、唯一の新潟人だったので、Day Tripを企画する班に参加しました。40人くらいの研修生を日帰りバス旅行に連れていくというもので、行先を十日町に設定。ムスリムが多いので食事をどうするかなど悩みましたし、里山の自然や文化をフィーチャーした現代アートを理解してもらえるか少し不安でしたが、十日町の魅力を前には無用の心配でした。
子どもが生まれて2歳になりました。寄港対応で何度も来て佐渡島のファンになり、土地勘も生まれたので、家族を連れてきました。
家庭をないがしろにすることは絶対に避けたいので、ライフワークバランスを前提とした働き方を心がけていますし、今後もずっとそうありたいと強く願っています。働き方として、工夫といえるほどのものではないですが、とにかく優先順位とメリハリを明確に付けるようにしています。「仕事は取ってナンボ」という分野なので、チームの助けを借りながら、自分なりの区切りを付けて頑張っています。
5 就職先を考えている皆さんへ
役所って刺激が足りなさそうだなと思っていた人にこそ来てほしいです。一緒に働いてみませんか?
Tさん、ありがとうございました!
新潟県を寄港地として選んでもらうために、これほど多くのプロセスがあるとは思いませんでした。県をPRするにも緊張の連続だと思いますが、その分やりがいも大きそうです。
仕事の中で、新潟県の魅力を新たに発見しながら楽しんで取り組まれている姿、経験を自分の成長の糧にしている姿、頼もしいです!
今後のご活躍、期待しています!
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