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県民の生活を様々な側面から支える薬剤師(行政)の仕事

今週の専門職シリーズは「薬剤師(行政)」。
薬剤師というと、薬局や病院での勤務をイメージしますが、県庁で行政職員としても活躍しています。
今回は、豪華2本立て!本庁で働くNさんと現場(保健所)で活躍するHさんから行政薬剤師の「リアル」をご紹介いただきましょう!
同じ職種でも本庁と現場では担当する仕事も違うんですね。


本庁・福祉保健部で新潟県の薬事行政を支えるNさんのしごと

みなさんこんにちは!私は新潟県庁で働く2年目の行政薬剤師です。
薬剤師といえば、薬局や病院で働いているイメージがあるかと思いますが、みなさんは行政で働く薬剤師の仕事をご存知でしょうか?
おそらくあまり知られていないであろう行政薬剤師の仕事について、私の仕事内容をもとにご紹介していこうと思います。

私は現在、新潟県福祉保健部感染症対策・薬務課の薬事指導係で業務を行っています。薬事指導係では、医薬品の製造業、製造販売業等の許認可や麻薬関係法に関する業務などを行いますが、私は主に麻薬関係法の業務を担当しています。

日々、薬局や病院から提出される麻薬関係法に基づく届出等の書類をチェックしたり、薬局、病院等からの質問に回答したり、薬局や病院において麻薬が適切に管理されているのか立入検査を行ったり、様々な業務を行っています。私は、採用される前までは、行政薬剤師の仕事のイメージは医薬品の工場などに立入検査をするイメージがあったのですが、採用後は、薬局等から提出される届出の確認や研修会の準備など私が考えていたよりも事務作業が多いなという印象でした。もちろん薬局等への立入検査業務もあるので、事務作業と外出半々くらいのイメージを持っていただければいいかなと思います。

季節的な業務としては、毎年5月から6月にかけて「けし巡視」を行っています。「けし巡視」では、違法なけしが道端や畑に生えていないか新潟市内をパトロールします。私は、行政薬剤師になるまで、違法なけしというものが、道端に生えていることも行政の職員が違法なけしの巡視を行っていることも知りませんでした。当然、採用直後は違法なけしの見分け方など知らなかったので、採用1年目の時に、東京都薬用植物園で実際に違法なけしを見学し、新潟市内の「けし巡視」を行う中で先輩職員の助言などをもらいながら少しずつ違法なけしの見分けがつくよう勉強しています。

違法なけしの花

また、今年度は麻薬を取り扱っている薬局に対して、麻薬の取扱いに関する研修会zoom等を使用したWeb会議形式で開催しました。新型コロナウイルス感染症の流行前までは、このような研修会についても上越・中越・下越の各地域に行き実地で研修会を行っていましたが、最近は研修会や会議についてもWeb開催が多くなっています。

zoom等を利用したWeb研修会の様子

余談ですが、私は北海道出身で新潟県外の大学を卒業しているため、採用されるまで新潟県に住んだことはありませんでした。約1年半、新潟市に住んでみて可愛いカフェやジェラート屋さんなどが多くて、行ってみたいところがたくさんあります。特に新潟市内で初めて枝豆のジェラートを食べたのですが、とてもおいしく、もっと新潟県の魅力的なところを知りたいと思っています。また、県職員は県内にある他の保健所等への勤務があるので、保健所等の勤務になった時には、県内各地域の名所を訪れたり、おいしいものを食べたりすることが楽しみです。

行政薬剤師の仕事について、少しでもイメージしていただくことはできたでしょうか?
私もまだ異動の経験はありませんが、保健所での薬事業務・検査業務や保健環境科学研究所での業務など行政薬剤師の仕事は幅広く、様々な業務に触れることができる点が魅力でもあると思っています。
より詳しく行政薬剤師の仕事について知りたい方は、例年、行政薬剤師希望者向けのインターンシップや説明会なども実施していますので、ぜひご参加ください。
みなさんと一緒に働けることを楽しみにしています!

地域振興局・保健所で現場を飛び回るHさんのしごと

「すごく親切に教えてもらって本当によかった。またよろしくお願いします。」

これは、日常業務の中で来庁された方の相談対応をしていた時に言われた印象に残っている言葉です。

学生の皆さん、こんにちは!
私は保健所で薬剤師として働いています。
皆さんは行政薬剤師というと、どんなイメージを持つでしょうか?
当時学生だった時の私は、「まぁ多分薬機法とか、麻薬に関することとかそういう系の仕事だろ」程度のぼんやりした想像をしていました。
新潟県職員の薬剤師の業務は大きく2つの道に分かれています。
1つは、病院薬局の開設に関わる許認可や、麻薬関係法に基づく立入調査といった「薬事行政」の道です。薬学生の皆さんには青本⑧の薬事・法規の分野、と言えば伝わるでしょうか。
もう一つは、飲食店や旅館といった営業に関する許認可や、水道・プールに関わる業務といった「衛生監視」の道です。こちらは青本④の衛生の分野になります。
私は後者の、食品衛生&環境衛生の監視員として日々業務に勤しんでいます。

日々の業務内容について、簡単にご紹介します。
新しく飲食店や旅館、美容院などを開業したい人が相談に来た時には相談対応を行います。お店の設備や管理方法は、国で定められた法律に基づいて基準が決まっています。お店が完成した後で基準が微妙に合わず、建て直し…となっては大変です。開業するために必要な設備、手続きの方法、必要な資格などをしっかりお伝えしています。
そんな一方で、水道施設やプールの監視に赴くときもあります。水道、プールの衛生面を確保するためには残留塩素濃度を保つことが最も基本的で、かつ重要です。
皆さん、水道とプールの残塩濃度の基準は覚えていますか?衛生のテストに頻出しますよね(笑)。そうです、水道は0.1mg/L以上、プールは0.4mg/L以上が必要になります。現場の監視に行ったときは、塩素濃度が適切に管理、維持できているかどうか、動物やその他の外的要因から汚染を防げるよう対策できているかどうか、設備が正常に動作するか管理できているかなど、書類や管理者の方に聞き取りを行って確認しています。
事務作業と外出の割合は7:3くらい、でしょうか。

ここからは少し個人的な、働く時に考えていたことです。
私は元々薬局やドラッグストアで働く気満々でした。患者さんと話すのは好きでしたし、どうやったら相手が心を開いてくれるような話し方ができるかを日々模索していました。
正直私は自分でも普段は不愛想な人間だと自覚しているので、周りのコミュ力高い人達の話し方や仕草をよく勉強(観察?)していました。どんな仕事でも、業務遂行能力も大切ですが、それ以上にコミュニケーション能力が問われる時代だと思います。
そんな時、県庁の仕事紹介を見て「あっ薬剤師っぽくない事も色々できて面白そうだな」と感じました。飽き性なのなので、日々同じ調剤をするのはもしかしたら自分には向いていない気がしたのです。それに、病院薬局でも公務員でも相手から信頼してもらうことは非常に重要です。行政はお堅い人間が多いと思われがちです、窓口に来た人もどこか緊張感や警戒心が伝わってきます。そんな時こそ、薬剤師として学んできたコミュニケーション能力が生かせるんです。親身に寄り添った対応と法の番人の両立ができるのは薬剤師ならではだと思います。冒頭の言葉はそんな相談の際に受けた言葉でした。

ある時はラーメン屋に立入を行ってお腹が鳴りそうになったり、ある時は美容室に立入を行って「あ、ここのヘアスタイルいいな」と内心思ったり、ある時は水道施設の水で滑ってずっこけそうになったり、慌ただしくも楽しく働いています。
少しでも興味を持った方、ぜひ企業説明会やインターンシップに参加してみてください。
一緒に働ける日をお待ちしています!


薬剤師と言っても病院薬局で勤務する方と県庁での勤務は全然違うんですね。
そして、同じ県庁の中でも担う業務は多種多様。正直、これも薬剤師の仕事なんだって初めて知りました。
新潟県庁で働くからこそ得られる経験、視野の広がりっていうのもありそうです。

薬剤師志望のみなさん、新潟県庁もぜひ選択肢に!

追伸:
採用案内ホームページに掲載中のブログのアーカイブ。
カテゴリー別にレイアウトを変更してみました!過去の記事が検索しやすくなりました。

「ブログは図鑑」。
「もっと知りたい」と思ったそのときに、ぜひ気になる過去の関連記事も読んでみてくださいね

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