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投資と人を新潟に呼び込む!NIIGATA STARTUP ACCELERATOR PROGRAMで見えた新潟で起業する魅力と可能性

「NIIGATA STARTUP ACCELERATOR PROGRAM」のピッチイベントが2月11日、オンラインにて開催されました。

約2カ月間にわたり行われた本プログラムは、新潟県内外から集まった豪華メンター陣が参加者のビジネスプランを直接ブラッシュアップ。集大成となる今回のピッチイベントでは、国内のベンチャーキャピタルや投資家に参加者がプレゼンを通じて投資を呼びかけました。

今回は視聴レポートとして、各企業によるピッチの概要や、審査員からのフィードバックについてご紹介します。ぜひご覧いただき、新潟のスタートアップエコシステムの動きを感じていただければと思います!

豪華審査員10人が直接アドバイス

冒頭、NVA代表理事を務めるフラー株式会社の渋谷会長が挨拶。その後、豪華審査員10名を紹介しました。

▼審査員のプロフィールは下記リンクよりご覧いただけます。

当初は新潟市のイノベーション施設「NINNO」で開催予定でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大等の状況を踏まえ、オンラインでの開催となりました。

審査員の方々の中には、新潟での宿泊や食なども楽しみにされていた方もいらっしゃったとのこと。ビジネスでの繋がりを強め、ぜひ再訪していただきたいですね!

7分間で投資先候補に

ピッチに登壇した12人は7分という短い時間でアピール。投資家からは「もっとお話したい投資候補先が見つかった」との声が上がり、新潟をきっかけとしたスタートアップのビジネスチャンスの創出機運が高まりました。

以下、各登壇者をご紹介します。

株式会社パンタレイ

株式会社パンタレイは、風力発電にプロダクト/パテント事業の2軸で取り組んでいる大学発メーカー系ベンチャー企業です。同社の佐藤靖徳代表取締役は、「安全な風力発電でカーボンニュートラル社会に導く」をテーマに、製品である風車の実際の動きを動画で紹介しながらプレゼンしました。 

佐藤代表によると、風力発電の課題は自然災害による故障が多いとのこと。そうした技術的な課題をクリアした「縦渦式風車」をパンタレイは開発しました。

5ヶ国で特許取得し、微風から暴風まで、発電継続を実施できる制御装置を提供しています。シンプルな構造で低価格なことも特徴で、これまで設置が難しかった持ち家などに設置できる風車として、今後の市場開拓が期待されます。


株式会社クリップス

株式会社クリップスは、コメント機能が特徴のライブコマース「Sharing Live」を運営する企業です。同サービスを手がける株式会社クリップスの田熊さんがピッチをしました。

同サービスでは、配信プラットフォームの提供から番組の制作、地方創生に特化した、地場産業+ライブコマースのモール型アプリまでライブコマースに必要なサービスをトータルで提供しています。

提供する配信方法も多様で①出店者が直接配信する「独自配信」②デジタル物産展のような「イベント配信」③プロのライバーを活用した「BtoBtoC配信」の3つから選べるとのことです。

クリップス公式サイトへのリンク http://www.clips-web.co.jp/

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株式会社Porro

株式会社Porroは2022年夏、アーティスト版スペースシェアのプラットフォーム「IMAJIN」のリリースを予定しています。同サービスについて同社の臼島さんがプレゼンしました。

「IMAJIN」はアトリエ・作品収蔵スペースなどの資金負担のためにアーティストの創作活動の時間が短くなる課題に対し、「作品出店スペース」に特化したプラットフォームを作ることによって解決するものです。

旧来のギャラリーではアナログでの問合せや契約手続きが煩雑で、アーティストの工数がかかっていたところに対し、後払い等のユーザビリティの高い決済システムを導入することで課題を解決。利用者を獲得していくとの考えです。

ビジネスモデルとしては①スペース予約②作品のEC販売③作品レンタルの手数料収入の3つを柱とし、街中のカフェ等もギャラリーとして利用することでスペースホストを増やしていく予定であることを臼島さんは説明しました。

株式会社Riparia

株式会社Ripariaは、地方の企業と都会で働く人のマッチングプラットフォーム「ともるい」を運営しています。同社代表の室田さんがプレゼンしました。

「ともるい」は累計登録ワーカー数1200人、案件数100件、平均マッチング率86%と着実に成果を積み上げているとのこと。新潟県内の企業でも商品開発やInstagramの運用支援などふぁ副業人材により実現しました。

地方副業市場が推計で200億円規模といわれる中、室田さんは「ともるい」の提供を通じて都市部と地方における企業のIT格差解決を図っていくことをアピールしました。

株式会社SIIG

釣りの「Pokemon GO」というキャッチーなサービス説明をした株式会社SIIG代表の谷川さん。釣果情報共有アプリ「FishRanker」について紹介しました。

FishRankerはゲーミフィケーションを生かした釣果共有アプリです。多くの釣り人に成果記録をアプリに残してもらえるよう魚種・サイズを90%以上の精度でAIが判別。わずか数秒で記録できます。

どこで釣れているのか、どんな道具で釣れているのかといった情報を多く集め、ユーザーに分析データを提供するほか、釣具のECとの連携などでマネタイズしていく考えを谷川さんは説明しました。

株式会社プロッセル

株式会社プロッセルはオンラインインターンコンテスト「オンコン」の運営を手がける企業です。代表の横山さんがピッチに登壇しました。

「オンコン」を通じて高専生をビジネスコンテストで採用し、知らないうちに採用活動ができている世界を作ることを目指していることを横山さんは紹介しました。

特に高専生と企業とのマッチンングを重視し、高専のインターンシップの授業の中で「オンコン」を活用するシーンを紹介。1400名近くの高専生がこれまで実際にオンコンを通じて参加していることや、複数の高専でのオンコンを通じたインターンが単位認定を受けているところに強みがあるとしました。

今後、連絡ツールから情報共有までプラットフォーム上で一元管理できるWebサービスを開発し就活生と企業の直接マッチングにも乗り出す見通しとのことです。

HUB SAUNA株式会社

HUB SAUNA株式会社は、安全性が高いサウナ用テントと薪ストーブの生産・販売を目指し取り組む企業です。新潟大学の学生で同社代表の冨田さんがプレゼンしました。

テントサウナに特化した安全性が高い薪ストーブはまだ存在しないと冨田さんは指摘。修理補償や性能を担保した製品をOEM先とともに開発すること検討しているとのことです。2022年中にプロダクトの開発を実施し、2023年の製品ローンチを目指します。

想定する主な販路は個人の“ヘビーサウナー”。クラウドファンディングなどを活用しながら初期の販路を開拓していく予定です。

株式会社Compass

株式会社Compassは「日本からワーキングプアを無くす」をミッションに挑戦するソーシャルテックカンパニーです。現在の関西での取組みと、新潟での展開について大津さんが発表しました。

同社は氷河期世代やワーキングマザー等200万以下のワーキングプア層にLINEで無料キャリア相談プラットフォームを提供。既にシリーズAの2億円調達、1.5億円の追加融資を受けており成長中の企業です。

AIでキャリアマッチングをしてユーザーの年収アップを図るだけでなく、労働環境や生活環境の改善に向けた相談サービスも展開しています。神戸市、宝塚市、京都市など関西を中心に行政と連携し、すでに1万人のユーザーが利用しています。

新潟では、ヤングケアラー(通常家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども)を対象とした相談事業などをプロトタイプ提案をしていく予定とのことです。

株式会社10

株式会社10は、マーケティング・リサーチ&コンサルティングのプロフェッショナル企業です。レビュー共有型SNS「Poskee」を開発した佐藤さんがピッチに登壇しました。

「Poskee」はあらゆる商品やサービスのレビューを投稿できるSNSアプリです。ユーザー同士がつながり過ぎず、他人の評価を気にせずに気軽に投稿ができるユーザビリティが特徴で「SNS疲れ」を感じる20〜30代女性がメインターゲットです。

国内700億円規模といわれるネットリサーチ市場において、リサーチそのものの質が下がってきていることにSNSの勝機があると見ているとのことです。

株式会社リビバル

株式会社リビバルは、新潟大学農学部発の学生ベンチャー企業です。小規模ブルワリーと提携した麦芽粕のアップサイクルフードの開発を行うビジネスプランについて、同社代表で起業家の鈴木さんが発表しました。

年間600万トン廃棄されている日本の「食品ロス」の中でも、ビールを作る工程で必ず発生する麦芽粕。同社はこの麦芽粕を活用し、アップサイクル(元の製品よりも価値の高いモノを創り出すことを目指す取り組み)フードの開発を目指します。

小麦粉と比較しても麦芽粕は小麦粉と比較しても栄養価が高い「スーパーフード」とのこと。小規模なクラフトビールを製造するブルワリーから仕入れて加工・商品化し、ブルワリーの販路とECで販売を行っていくというビジネスモデルを検討していることを鈴木さんは紹介しました。

株式会社KOIYAL

株式会社KOIYALは、プレイ・学んでお金が稼げるチェスのNFT(唯一無二であることの証明ができる技術を利用したデジタルの仕組み)「ChessFi」を開発中の企業です。代表の荒川さんが登壇しました。

仮想通貨だけではなくさまざまなNFTコレクションが増える中、「ChessFi」はチェスをNFT化することによってブロックチェーンやメタバース(オンライン上の仮想空間)の世界の中にNFTチェスを入れ込むことを目指します。

チェスをプレイするとトークンが消費され、チェス教育コンテンツ(詰将棋のようなもの)を作ることでまたトークンを獲得することができるとのことです。

チェスというゲーム自体に運要素が少なく実力が出やすいため、「強いユーザーから学びたい」というユーザーの欲求を満たすため、教育コンテンツと組み合わせてユーザーの利用を加速させたいとの思いを荒川さんは語りました。

株式会社サケアイ

株式会社サケアイは、日本酒購入記録サービス「Sakeai(サケアイ)」を手がける長岡技術科学大学発のベンチャー企業です。代表の新山さんが発表を行いました。

ワインの記録購入アプリ「Vivino」が世界中で人気を博している中、「サケアイ」は“日本酒版Vivino”ともいえるサービスで、日本酒の記録・情報閲覧・購入が可能です。

ユーザーと共に成長するデータベースであるサケアイの強みは、国内の他社と比較して圧倒的に多い2万4000銘柄のデータを保有していることと新山さん。日本酒度や酸度など、比類ない細かいバロメーターをもとに、AI・口コミによるオススメの日本酒レコメンドを実現しています。

今後、Web版の開発やSNSマーケティングによるユーザー拡大や、オンラインストアの立ち上げ、越境ECなどへの展開も語りました。

「今日がキックオフ」起業に向けてさらに交流を

Webサービスから、ものづくりまで多種多様な12本のピッチについて、総勢10名の審査員が総括をしました。

7分というピッチの時間の中での「抑揚」のつけ方というテクニカルなフィードバックや、出資を呼びかける際にサービス内容だけではなく出口戦略や収支の部分などを厚くする必要性など、スタートアップ・ベンチャーのプレゼンを数多く聞いてきた方々だからこその前向きなフィードバックが得られました。

出資を検討したいという企業が見つかった、この縁で壁打ち等にも引続き対応していきたいなど、本プログラムがもたらした機会が次のステージへつながる予感を感じさせるコメントもありました。

このイベントの運営を手掛けたのは、民間スタートアップ拠点のひとつでもある株式会社スナップ新潟です。

同社代表の逸見社長は「今日がプログラムの最終日ではあったが、VCの皆さんとの接点ができた今日をキックオフととらえ、今後も交流していただきたい。機運が盛り上がっている新潟で、創業・起業に興味がある方はぜひ連絡をいただけたら」と呼びかけました。

新潟県では、新規の起業創業に対するサポートだけではなく、創業後も県内外との投資家・VCとの交流や、先輩起業家からのメンタリングを受けられるプログラムなどの手厚いサポートであなたのビジネスの成功を応援しています。

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