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イベントレポート】「NIIGATA IPO SUMMIT2023」を開催しました

『新潟県内のIPO企業を5年で50社超にするために』をテーマに、「NIIGATA IPO SUMMIT2023」(主催:新潟県、新潟ベンチャーキャピタル株式会社、後援:新潟経済同友会、新潟ニュービジネス協議会、新潟ベンチャー協会)を開催しました。
イベント当日は、新潟県のIPO機運を高めるため、新潟県出身で昨年IPOされたnote株式会社の加藤氏と、新潟に本社を置き上場を目指しているフラー株式会社の山﨑氏をゲストに迎え、上場に向けた準備や上場後の変化などについてご講演いただき、県内のスタートアップや投資家、事業会社など110名を超える多くの方にご参加いただきました。
今回は、note株式会社の加藤氏、フラー株式会社の山﨑氏にご講演いただいた内容をダイジェストでお伝えいたします。

<IPO>
IPOとは、Initial Public Offeringの略語で、非上場・未公開の企業が株式等を証券取引所に上場(公開)させることを指す。株式公開に際しては、新株や既存の株主が保有している株式などの売却が行われ、一般の投資家がその企業の株式を保有したり、証券取引所で自由に売買ができるようになる。


講演①

「 IPOを経て、noteが目指すプラットフォームの街とは」

加藤 貞顕 氏(note株式会社 代表取締役CEO)

加藤氏は、自身が出版社の編集者時代に感じた、インターネットの普及によるクリエイターの環境変化をきっかけに、当時はまだ珍しかったオンライン上のコンテンツ配信事業を自ら立ち上げられました。
出版業界では通常、業者を介して書店に本を流通させ、収益を得る仕組みがあるのに対し、ネットでの創作活動にはこのような取次システムが当時は存在せず、クリエイター自身が配信や収益化の仕組みを築かなければならないという状況でした。
こういったハードルを解消するため、インターネット上で多くの人が自由に創作し、コンテンツを提供できる新たなプラットフォームとして「note」の運用を開始されたと述べられていました。

「note」は、月間約5,000万のアクティブユーザーと、663万の登録ユーザーを持ち(※2023年5月末時点)、毎月約100万件の新しいコンテンツが投稿されており、独自のCtoC(Consumer to Consumer)モデルを採用してユーザーがコンテンツを投稿、購入できるプラットフォームです。企業と連携したコンテストや、クリエイターの創作を支援するイベント開催などを通じて、クリエイターコミュニティの拡大を促進させ、クリエイターとユーザーにより大きな価値を提供しています。

note社は2022年12月、東京証券取引所グロース市場に上場。上場の目的・背景として、資金調達手段の多様化、信頼性向上、組織強化、社員の意欲向上などを挙げた加藤氏。上場審査の厳しい要件に対応するための準備のなかで組織を強化したことは、会社にとってプラスだったとのことです。
note社の使命は、インターネット上のインフラを提供し、クリエーションやビジネスにおいて不足する要素を解消して、全ての人々にとって有益なものにすることだと考えているという加藤氏。「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションとして、実現のための取り組みを今後も進めていくと力強く述べられていました。

note株式会社 代表取締役CEO 加藤 貞顕 氏

講演②

「新潟初のグロース上場企業を目指して」

山﨑 将司 氏(フラー株式会社 代表取締役社長)

冒頭、山﨑氏から、2023年7月25日に予定されていたグロース市場への上場が前日に中止されたことについて説明があり、今回の件で上場を諦めるということではなく、引き続き早期の上場を目指すとともに、上場準備を通じて得た知識と経験を共有しながら、これからの計画に活かしていくとの表明がありました。

フラー社は、クライアント企業のデジタル戦略を推進するために、アプリを中心としたソリューションを提供するデジタルパートナー事業を展開しています。事業開発、デザイン、システム開発、運用、データ分析など、多岐にわたる要素を組み合わせてソリューションを提供していることが同社の強みです。

また、同業種のアプリ比較などアプリ市場の情報を分析し、クライアントのアプリ戦略策定を支援するサービス「App Ape(アップ・エイプ)」を提供しています。同社の最大の特徴は、アプリを開発して終わりではなく、リリース後も責任感を持ってアプリに向き合い、クライアントの成功を第一に考えた継続的な改善とサポートを提供していることです。

さらに、同社は「長岡花火公式アプリ」の開発・提供も手がけていますが、花火翌日の会場のごみ拾いへの参加といった地域社会への貢献活動などを通して、クライアントに寄り添う文化を大切にしています。
最後に、山﨑氏は、自身の経験をもとに、上場準備における取り組みやスケジュールなどを説明されていました。上場に向けて社内の士気を高めるとともに、新潟で初めてのグロース市場上場企業誕生という目標に向かって走り続ける決意を、熱く述べられておりました。

フラー株式会社 代表取締役社長 山﨑 将司 氏

会場の様子

加藤氏、山﨑氏の自社ビジネスやIPOに関する熱い思いを聞くことで、会場で参加された方々からは新潟県内におけるIPO企業の更なる輩出にむけた期待の高まりが感じられました。

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