『 熱 』児童自立支援施設・新潟学園【指導員の仕事】(令和5年8月10日)
こんにちは。
私は児童自立支援施設・新潟学園で指導員をしています。
「児童自立支援施設」
聞いたことがありそうだけど、知らない単語。
世間的にはあまり馴染みのない施設です。
このブログを読んでいる方でも知らない方が多いのではないでしょうか。
今回は、そんな児童自立支援施設・新潟学園、その仕事、その魅力をお伝えできればと思います。熱が入りすぎて長くなってしまいましたが、最後までお付き合いください。
● 児童自立支援施設って?
非行や生活指導が必要な児童が入所し、施設内の寮や学校で過ごしながら、生活の立て直し(自立)を目指す施設で、児童福祉施設の一種。全国に58か所あり、新潟県には1か所のみ、新潟学園があります。
暴力、窃盗、性問題、家庭内不和、入所の理由は様々あります。非行というと少し怖いイメージもありますが、実際はそんなこともありません。
入所する児童の多くは、自分を表現することが苦手で、気持ちを不適切に表してしまうことがあります。それが「非行」であることも多いです。私たち指導員の仕事は、児童が自分を表現する力を身に付けられるよう支援をすることです。
● 支援って?
「支援」というと少し抽象的でイメージがしにくいかと思います。とても簡単に言えば、施設で一緒に過ごしながら、生活の助言をする、です。ここからは児童の活動を具体的に紹介しつつ、併せて指導員の仕事も紹介していきます。
運動
学園(新潟学園の通称)では野球やマラソンを部活動として行っています。私たちは監督やコーチとして、そこに参加します。他県施設との試合もあります。児童のがんばる姿を近くで見られるのは、この仕事の大きな魅力です。
児童が動くときには私たちも一緒に動きます。マラソン大会も一緒に走ります。負けず嫌いな職員が先頭を走ることも珍しくありません。
学習
児童は敷地内の小・中学校に通っています。当たり前ですが、授業は学校の先生方がします。 私たち指導員は、授業の手伝いや見守りをしたり、児童と一緒に勉強をしたりします。大人になって聞く授業は懐かしくも新鮮で、あの頃とは違った学びを得られます。
また、珍しいところで、学園では新潟市の職員である先生方と新潟県の職員である指導員が同じ事務室に机を並べています。日常的に児童の情報交換ができ、とてもありがたいです。
作業
週に数回、作業の時間があります。敷地内の畑で野菜を育てたり、草取りや掃除など環境の美化をしたりします。自分たちで育てた野菜を食べるのは、何とも言えない喜びがあります。夏場のこの時期には、毎食のようにスイカが食卓に並びます。
学園では先日からヤギを飼い始めました。2頭の子ヤギで名前は「ずんだ」と「きなこ」。とてもかわいいです。児童はもちろん、大人にも人気です。休憩時間にヤギ小屋を覗くと、同じく休憩中の職員が誰かしらいます。
遊ぶ
もしかすると、勤務でこの時間が一番長いかもしれません。遊びは児童の成長に不可欠です。児童は大人の姿をよく見ています。大人が遊ぶ姿を見て、遊び方を学びます。そのため、大人も本気で遊びます。バスケやサッカー、トランプやボードゲームなど、何でもやります。上司と一緒に鬼ごっこができる貴重な職場でもあります。
事務
当然事務作業もあります。児童の支援方法を考えたり、様子を記録したり、行事の企画をしたり、関係機関と連絡を取ったり、色々とあります。ただ、体感では事務仕事より児童と接していることの方が多いです。不規則勤務も相まって、平日の昼でも事務室にあまり人がいません。ふとしたとき事務室に人が多いと、「何かトラブルでもあったのかな」と不安に気持ちになります。
● どんな人が働いている?
社会福祉士や心理師の資格を持っている方が多いです。私自身は大学で心理学を学んでいました。それぞれの分野で専門的知識、技能を持っている方がいます。
学園は趣味が活きる職場でもあります。スポーツや音楽の経験を児童と共有して、一緒に楽しんでいる人が多いです。私はボードゲームが趣味で休日によく遊んでいます。自分の遊びたいボードゲームを持参し、児童に相手をしてもらうこともあります。それで児童が喜んでくれればWin-Winです。
学園には熱い想いを持った職員が多くいます。児童のために、本気で怒ったり、泣いたり、笑ったりしている人がいます。素直じゃない子たちが多いので気苦労も絶えませんが、その分だけ、一つのものを一緒に作り上げたときの喜びは大きいです。
● 最後に
福祉の分野は人と関わること自体が仕事で、良くも悪くも気持ちを大きく動かされます。大変なこともありますが、そのやりがいが魅力だと思います。新潟学園での仕事に少しでも興味を持っていただけたなら嬉しいです。
本日は福祉行政職の回でした。いかがでしたでしょうか?児童と一緒に活動する姿、普段デスクワーク中心の私にとってはとても新鮮でした。皆さんも具体的に仕事・普段の生活がイメージできたのではないでしょうか。
この記事を読んで、興味を持った方は新潟学園で働く職員の密着動画もぜひご覧ください!
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