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人事委ブログ【シリーズ警察】走れ警察(ポリス) ~少年警察補導員編~

皆さん、こんにちは!毎日暑いですね🌞体調崩していませんか?

突然ですが、今回のブログから4週連続で警察職員をテーマにシリーズ企画をお送りします。様々な職種が活躍して、県民の生命・安全・安心を守る警察組織。その一端を少しだけご紹介します!

第1回は、少年警察補導員編。冒頭には、執筆者の印象的エピソードをかの有名な“書き出し”文から書いていただきました!

ポリスは安堵した。この少年を非行の道から救い出す一筋の光を見いだせた気がしたからだ。

少年警察補導員として1年目、警察署で勤務していた時の話である。係長の電話が鳴り、「女子高校生が万引きしたようだ。すぐに現場に行ってくれ!」と私たちに指示が飛んだ。私は警察官と一緒に、すぐに万引きがあったお店に向かった。

彼女を連れて警察署に戻り、私と警察官で話を聞くと、うつむきながらも万引きしたことを認めた。
その後、何気なく母親との仲について尋ねると、彼女は急に顔を上げ、「私が欲しかったから万引きしただけ。親は関係ない」と大きな声を出した。私は驚いたが、続けて聞こうとすると、彼女は「何も困っていません。もう万引きはしません。」とだけ言い、黙り込んだ。
彼女を迎えに来た母親が、彼女に「ごめんね」と言うと、彼女も顔を上げ「ごめんなさい」と言って2人並んで帰っていった。彼女の反応から親子仲が悪いのかなと思っていた私は、そのやりとりに強い違和感があったが、そのまま帰してしまった。係長に報告したら、想像通り「どうして、もっと話を聞かなかった」と指導され、後悔だけが残った。

しかし約2か月後、彼女は2度目の万引きをして、また警察署に来た。私は、今度こそしっかり話を聞こうと思った。前回同様、彼女はうつむいて沈黙する時間が続き、私は「また前回と同じか」と焦ったが、「後悔したくない」と、必死に彼女への思いを伝えた。
その思いが届いたのかは分からないが、彼女は、学校で人間関係に悩んでいるが、家では母親とほとんど話さないので、なんとか自分を見て欲しくて、万引きという手段を選んだことを、ぽつりぽつりと話してくれた。
私は、彼女の苦しい思いを真剣に聞いた。その後母親からも話を聞くと、親子の会話が少ない状況をどうにかしたくても、接し方を変えるきっかけがないと、母親も悩んでいることが分かった。

そこで私は、親子で一緒に面接に来てもらい、互いに思いを言い合う場を作ることとした。最初はぎこちなかったが、回を重ねるうちに会話が徐々に増え、本音をぶつけ合えるようになった。2回目の万引きから約半年後、「家でもお母さんと話ができるようになった」としっかり顔を上げて話す彼女の表情は、以前とは正反対で、明るく輝いていた。私のサポートはそこで終了となった。

彼女は人一倍努力家だったので、その後は親と良く話し合ったうえで希望する進路を叶え、夢に向かって頑張っていると聞いている。もしも状況が変わらなければ、彼女は苦しい思いをしながら万引きを繰り返し、大切な夢を叶えられないままだったかもしれない。彼女のサポートができたことが本当に嬉しい。

少年警察補導員のしごと

少年サポートセンター

少年警察補導員が常駐する少年サポートセンターは県下3か所(新潟・長岡・上越)にあります。関係機関と連携しながら、少年達の健全育成に向けた様々な活動を行っています。

少年相談

非行など問題行動のある少年(20歳未満)や、いじめ、犯罪被害にあった少年に関して電話・面接を通じて相談に応じ、助言や指導を行います。

広報活動

パワーポイントや紙芝居を活用し、非行・いじめ防止、薬物乱用防止、情報モラルなどについて講話や指導を行います。

少年警察補導員ってこんな人が多い

少年達と接する職種特有なのか、人当たりが良く、面倒見のいい人ばかりです。仕事で困ったことがあっても、相談するといつでも丁寧に聞いてもらえて、的確な助言をもらうことができます。みんな朗らかで、自然とチームワークが高まっているので、私はいつも安心して仕事をしています。相談業務の中では緊張を伴う場面もありますが、上司の指揮の下あうんの呼吸でそれぞれの役割を把握し、責任感を持って一つのことに全員で取り組むことができます。

仕事をするうえで大切にしているポリシー&アイテム

🔥ポリシー🔥

自分らしさを大切にしています。採用されたばかりの頃は、早く一人前に仕事ができるようになりたくて、先輩のやり方の真似ばかりしていました。でもあまり手応えを感じることがなかったので、自分なりのやり方や言葉も大切にして仕事に取り組むようにしました。

少年警察補導員の仕事は、常に人が相手です。人によって考えや感情は違うので、私も100%の自分で相手に向き合い、そこから生まれた感情や感覚を大切にしようと思っています。警察組織として毅然と対応しなければならない時もありますが、相手とじっくり向き合って出た自分なりの言葉が相手に伝わることもあると思いますし、相手と心から話すことによって生まれるお互いの感情や受け取り方も、少年達に対応するうえでは必要なことだと考えています。


✏アイテム✏

心理療法の一つに箱庭療法があります。砂の入った箱の中に、人物や動物、建造物などのミニチュアを置き、自由に何かを表現したり遊んだりすることを通して行うものです。

相談業務の中では、相手が話す内容だけではなく、行動や表情から受け取れることもあるので、様々なツールを用いて相談者とじっくり向き合います。時には立ち直り支援活動として、少年達と共に体験活動やスポーツをし、同じ経験をすることで得られる達成感や自己肯定感などを共有することもあります。

採用担当から

少年警察補導員編ブログの編集担当Tです。今回のブログ、いかがでしたか?少年警察補導員の空気感、イメージがなんとなく伝わっていたらいいなと思います。
執筆をお願いした少年警察補導員のTさんとは、事前の打合せやお電話で何度かお話させていただきました。顔色だけでなく声色からも、常に穏やかな癒しオーラが放たれており、話しているだけでHPとMPが回復していく感じでした。

Tさんをはじめ、そんな魅力的な方々が集まる少年警察補導員がいるからこそ、多くの少年・少女の“心のより所・救い”が生まれているのだと思います。
『走れメロス』に負けないくらい名作な「信頼の物語」がここにありました。

次週は、「走れポリス ~警察事務・警察行政編~」。私Tの隣に座る採用担当T(先週の素敵なブログの執筆者)が鋭意編集中。お楽しみに~!

過去のブログはこちら♪


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