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本当の魅力をリアルに届ける 〜Jスタ新潟・経営者インタビュー⑦ 株式会社リプロネクスト

今回は「J-Startup NIIGATA(以下、Jスタ新潟)」の選定企業である、株式会社リプロネクストの特集記事をお届けします。

Jスタ新潟
地域に根ざしたイノベーティブなスタートアップ企業を、新潟県と関東経済産業局等が選定。公的機関と民間企業が連携して集中的に支援することで、選定企業の飛躍的な成長と、新潟のスタートアップエコシステムの強化を目指す取り組み。
▼設立趣旨などについては、下記HPもご覧ください。


株式会社リプロネクスト 藤田 献児さん

〈プロフィール〉
藤田 献児(ふじた けんじ)
1989年生まれ、新潟市出身。 2017年にUターンをして株式会社リプロネクストを設立。VR コンテンツ制作/メタバース開発やWebマーケティング事業を展開。


リプロネクストスタッフのみなさん(中央:藤田さん)

リアルを届けるWebマーケティング会社

ーー株式会社リプロネクストについて教えてください。
私達は自社を紹介する時、よく『リアルを届けるWebマーケティング会社』と紹介します。Web上で、企業や地域の魅力のリアルな部分を届けるため、VRコンテンツ制作、メタバース開発やWebマーケティング事業を展開しています。

私達の強みは、お客様の ”本当の魅力” を届けられることだと思っています。表面上の魅力よりも、お客様が本当にこだわっている部分を届けることを私達は得意としています。

ーーどんな想いでリアルを届けているんですか?
地方にはどうしても人口が減少していく現実があり、何もしなければ必然的に経済が縮小していきます。だから地域の経済を活性化する必要があり、その方法としては、「県外や海外に物を売る」、「県外や海外の人に新潟に来てもらう」、もしくは「新潟県内でスピード感を持って経済を回していく」のいずれかの手段になると思うんです。

そして県外や海外に物を売るためには、商品などの情報そのものに加えて、もっとリアルに魅力的な部分を届ける必要があると考えています。より多くの人に魅力を届け、商品を購入していただけるよう、今の事業に取り組んでいます。


お客様のこだわりに耳を傾け、届け方を探る

ーーリアルを届けるために、どんなことに気を付けていますか?
目の前にあるリアルって、『何か』にこだわっているからそうなっているんだと思います。だからこそ、そこにかける想いを聞き、表現するよう気を付けています。またその際、こだわりを聞き出すために、良い意味で相手のことを面白がろうとする姿勢を大切にしています。

仕事柄、普段なかなか関わらないような業種の方からお話を聞く機会もあるのですが、「自分には関係ないけど、仕事だから聞く」という姿勢なのか、「純粋に興味を持って聞く」という姿勢なのかで、作成したコンテンツのクオリティが全く違ってくるんです。

ーーお客様のこだわりを大事にするため、自社で『こだわっていること』は何かありますか?
仕事をしていく上で、お客様にとっては良くないものの、私たちにとっては良いという状況は往々にしてあると思います。しかし、相手のためにならない仕事を続けることは、自分たちのためにもなりません

動画制作やVR制作のように、私達は形のない商品を売っているため、可視化しにくい完成までのコミュニケーションや、やりとりがとても大事になってきます。いわゆる営業の御用聞きのような、お客様の言われた通り全部やっておけばOKという姿勢ではなく、相手のこだわっている部分を興味を持って聞き、引き出し、齟齬が無いようにすり合わせることが私達のこだわりですね。

地元企業を訪れ、自ら撮影をする藤田さん

起業後の紆余曲折の道のり

ーー藤田さんが新潟でUターン創業をした理由を教えてください。
創業することは決めていましたが、どこで創業するかまでは当時決めていなかったです。しかし、「どうせ戻るなら、いつか戻ろうと思っていた地元に帰ろう」と考え、知り合いが全くいない中で新潟に戻って来ました。会社を経営していく中で、「東京と新潟」どちらなら頑張れるかを考えた結果です。やはり地元の方が頑張る理由がありますね。(笑)

新潟にUターンした皆が良く言うことではありますが、「自然が良い!食べ物が美味しい!」と思います。またそのおかげで仕事で疲れたり、気分を変えたりしたい時に、ONとOFFを上手く切り替えられることも新潟ならではの良さですね。

創業時のシェアオフィスの様子

ーーWebでの起業にはどんな理由があったんですか?
私がUターンした時は、新潟で働いた経験が無く、ニーズが全く分かりませんでした。それまでWebや広告関連の仕事をしていたため、「集客・採用を手伝いますよ」くらいの感覚で起業したのですが、これが全く響きませんでした。

当然、収入無しでは生きていけないので、心の中では違うと思いながらも断れない仕事もありました。5、6年前の話ですが、「これからはWebを使った広告を始めた方が良いですよ」と提案しても、当時のお客様からは「今の紙のチラシをもっと安く作ってほしい!」と別の希望を言われ、しぶしぶ依頼を受けていたりもしました。

怖いことに、そういった仕事を何度か引き受けていると「もっと売れるチラシってなんなんだろう?」と考え始めるようになっていたんです。

ーーその状況からどのように脱却したんですか?
しばらくたった時に、ふと「自分たちが創業した意味は、、、?」と考えました。目の前の相手に断られたとしても、「自分たちが本当に良いと思ったもの」や「相手のためになることを本音でぶつけられる関係性」が必要だと気付いたんです。


リアルを届けるための様々な『届け方』

ーーWebマーケティングの領域にとどまらず、VRの事業も展開されていますよね?
そうですね。正直なところ、「広告を含め、広くサポートをします」という形で様々な支援をしている中、選択肢の一つとしてVR事業を始めたんです。

元々VRに興味があった訳でも、特別に思い入れがあった訳でもなく、ただ「お客様との距離感を縮めるために使うには良いものだ」と思っていました。VRを用いることで時間やお金、タイミングなど、障壁となる物理的な距離を無くすことができ、届け方に幅を持たせることができるんです。

「VR」と聞くとゴーグルをつけて見る、1人用のコンテンツというような想像をされると思います。しかし基本的にVRは1人で体験するよりも、同じコンテンツを複数人で体験・共有できるメタバース的な使い方をすることで色々な可能性を広げられる技術だと思っています。

リプロネクストオフィスの様子

ーーVRとWebマーケティングはどう繋がってくるんでしょうか?
リアルを届けるためにVRや動画といった手段を使っていますが、「モノは作ったが想いが届かない」では意味がありません。その橋渡し役として、Webマーケティングがあります。

私達は届け方にこだわりはありますが、「何かのツールにフォーカスし、Webマーケティングだけ、VRだけをやっている会社です」とはならないんです。あくまでもお客様のリアルを届けるために、様々な「届け方」を用い、県外さらには海外に魅力を届けていきたいと考えています。


さらなる発展に向けて

ーーリプロネクストの今後の展望を教えてください
自分たちの自立と事業の拡大が若い人のUターンに繋がるのではないかと考えているので、採用を増やしながら、新潟やうちで働きたいと思う人を増やしたいですね。だから『採用に力を入れること』に今は注力しています。

規模拡大にも理由があるんですが、人が増えれば、お客様に新しいサービスをご案内でき、自分達も会社として安定します。そしてそれは、地域にとっても雇用を増やすことに繋がる。自分たちがお客様の結果を出し横展開していけば地域のためになり、ひいてはみんなのためになるのではないでしょうか。

外からはVRの会社と見られがちな私達ですが、実は最近、新規事業としてメタバースにも力を入れ始めていて、今後もお客様の力になれるよう頑張ります。

J-STARTUP NIIGATAイベント登壇の様子



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