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~自分の夢やキャリア形成をさまざまな角度から支援するサービスを展開~株式会社shabellが新潟に進出した理由とは

「自分にはどんな仕事が合っているのだろう?」「こんな仕事をしてみたいけど、どんな道のりがあるのだろう?」。自分のキャリアに悩んだことがある人は多いのではないでしょうか? そんなキャリアの築き方や地方での人生の紡ぎ方について、さまざまな角度からサービスを提供しているのが、株式会社shabellです。

自分らしく生きる人を独自に取材したウェブメディアの運営や、憧れの職業を歩んでいる人に直接相談できるアプリの立ち上げ、中高生・大学生に向けたキャリア教育などを行っています。

そんなshabellが新潟に進出したのは、2021年12月。株式会社イードア(2020年度新潟進出企業)から紹介されて、新潟オフィスを立ち上げました。なぜ東京を拠点に活動するshabellが地方都市である新潟に進出したのか。shabell取締役COOの近藤友紀さんにお話を伺いました。

1.人生を通したキャリア形成を

新卒採用の限界を感じて
中高生のキャリア教育へ

2016年に起業して以来、企業の採用支援に取り組んできたshabell。新卒採用の支援をするうちに、学生が自分のキャリアを十分に考える機会がないまま就職活動をしていることに課題を感じるようになっていきました。大学で就職活動に関するアドバイスはするものの、人生を通したキャリア形成についてはアドバイスがない状態。どうやってやりたいことを見つけたらいいのか、夢を見つけてもどう努力したらいいか学生が戸惑ってしまう状況が続いていました。

さらに企業側の視点も何十年も変わっていません。就職サイトを通して気軽に応募できるようになった一方で、簡単にスカウトを送れたり、条件面だけで人を選んだりと、より表層的になっている面もあると10年以上新卒採用に携わる近藤さんは続けます。

「納得して働いている人が少ないから離職率もどんどん上がっているのが現状。どこから変えていくべきかと考えたときに彼らの周りにいる大人たちが変わらないといけないように思ったんです。大人が自分の人生を楽しんでいる、自分で人生をつくっているという経験や価値観があれば、子どもも選択肢も変化する。こうした考え方を早いうちから身につけてもらう必要があると中高生やその親に対してのキャリア教育分野へ挑戦してみたいと思うようになりました。」(近藤さん)

2.地方で働く可能性を追求

「ここには何もない」を変える!
仕事の選択肢を広げるために

当初の課題だった「人生を通したキャリア教育」に取り組んでいく一方で、もうひとつ気がかりだったのが、地方と都内の働く選択肢の格差。地方で楽しそうに働く人を世の中にどう伝えていくかに課題を感じるようになっていきました。

「地方では『ここには何もない』『未来がない』と考える人がまだまだ多いことが現実です。今はどこでも仕事ができる時代になりましたが、都会にいかないとチャンスがないと思っている人はまだたくさんいます。でも、実際には新潟を一度も出たことがない人がフルリモートで都内の会社の秘書と広報に携わるなど、可能性はどんどん広がっている。つまり、どんな選択肢を得て、どんな行動を起こすか次第なんです」(近藤さん)

代表も近藤さん自身も地方出身だからこそ、「地方の人にもチャンスが広がる世の中を作っていきたい」と憧れの職業に就いている人に話を聞けるアプリ開発や地方でのキャリア教育などにも着手するようになりました。

そんなときに以前から付き合いのあったイードアから「新潟に来てみたら?」と誘われます。shabellにとって新潟は縁もゆかりもない地域。それでも、第三者視点で新潟を見たときに固定概念なくシンプルによいところを発見できると思い、新潟県の東京事務所とコンタクト。

そこで出会った県の担当者が、県内の様々な団体と繋げてくれたことで、本格的に新潟進出へと動き始めます。新潟県へ視察に来た際は、県の採用担当や教育委員会などと意見交換をし、具体的にどのような連携が図れるかを話し合っていきました。

3.新潟で自分らしく働く人を発信

読者と同じ等身大の目線で
少しずつ成長していくメディアに

こうした経緯で、2021年12月に新潟オフィスを開設。未経験ながらも応募してくれた編集者兼ライターとデザイナーの2人と共に、新潟らしさを追求する生き方を発信するメディア『niigatabase(ニイガタベース)』を運営しています。

「今メインで動いているのは、一度都内へ出て新潟に戻ってきたデザイナーと編集者兼ライターの2人。一度新潟を離れたけど、様々な事情で戻ってきた、ある種のスタンダードな人生を歩んでいる2人です。そんな2人が取材を進めるなかでこんな人生を歩めるんだと体感すれば発信する角度も変わる。彼女たちの成長がメディアの成長につながることに可能性を感じています」(近藤さん)

2人は東京のshabellbaseチームと毎日ミーティングし、メディアの方向性を確認。最初からリモートワークで関係性を作っていくことは難しいものの、shabellには以前からリモートワークが定着していたこともあり、普段のミーティングやチャットで少しずつコミュニケーションを重ねてきました。

編集者兼ライター:中村綾夏さん(左)、近藤友紀さん(中央)、デザイナー:今成佳奈子さん(右)

「もともと専門学校の先生をしていたのですが、家庭の事情で地元の新潟県へ。今までやってきたこととshabellの地方でのキャリア選択に課題を感じている点に共通点を感じて、この会社に興味を持つようになって応募しました。今は取材をして執筆をする日々。普通に暮らしていたら出会わないような人の話を聞けて自分の人生に刺激をもらっています」(中村さん)

「私は大学から都内で生活していて、2人目の出産後に地元である新潟へ移住。スーパーバイザーをしていたのですが、土日もずっと仕事で家族の時間を取れないことにモヤモヤしていました。それで興味のあったデザイン講座を受講し、shabellへ。私自身、帰ってきてよかったと思っているので、働き方の地域格差をなくすことで、地方で働く選択肢を子どもたちに伝えていければと思っています」(今成さん)

4.新潟は力まずに楽しむ人が多い

不自由さを感じない土壌があるからこそ
自分らしさを追求しやすい

東京だけでなく、東北でも復興支援に携わる近藤さんは、「新潟はよい意味で力んでいる人が少ない」と新潟で活動する人たちの印象を教えてくれました。

「新潟の人たちって、よい意味で緩さがあるというか、力まずに活動自体を楽しんでいる人が多い気がするんですよね。新潟って、ご飯は美味しいし、東京に比べると家賃も安いし、程よく都会で暮らしやすい。不自由さを感じない生活ができる土台があって、その上で自分らしさを追求しやすい土地だと思うんです。東京では仕事かプライベートのどちらかだけで手一杯ですが、新潟では仕事を一生懸命やりつつプライベートも充実させられる。生活のキャパシティ自体が増えるような感覚です。」(近藤さん)

5.新潟の人となりが伝わるメディアに

正解がないことを楽しむ
新潟県民の人柄を伝えていきたい

新潟に進出してから『niigatabase』を立ち上げ、新潟らしさを追求する生き方を発信してきたshabell。しかし、まだまだ夢半ば。将来的にはメディアを読んだ子どもたちが、その人に会いに行ったり、影響されて自分で事業を始めたり、実際に行動に移してくれるメディアになればと夢は大きく膨らみます。その上で「新潟って自由な人が多いよね」「楽しんでいる人が多いよね」という印象を与えられるメディアになってほしいと、近藤さんは中長期的な目標を教えてくれました。

「新潟の人って、正解がないことを楽しんでいる人が多いんですよね。そんな新潟県民の人柄がイメージできるメディアになってくれたらと何より嬉しいです」(近藤さん)

無理なく楽しみながら、活動を続けていく。確かに良い意味で気楽に活動している人が多いような気がします。これからは正解なんてない時代。その状況すら楽しんで生きていく新潟県民の等身大の姿を『niigatabase』はこれからも映し出していくことでしょう。そんなメディアを読んだ次の世代が、どんな未来をつくっていくのか。新潟県の今後が楽しみになる時間でした。

株式会社shabell
本店所在地:東京都渋谷区渋谷2丁目10番15号 JPLビル1F
新潟サテライトオフィス:新潟県新潟市中央区笹口1-2 PLAKA2 1F
URL:https://shabell.co.jp/


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