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採用ツールコンテスト開催報告!

こんにちは!グローカルマーケティング株式会社の鈴木です。

10月30日に県主催の採用ツールコンテストを開催しました。

採用活動では、多くの企業が企業説明資料を作成し、求職者に対して自社の説明を行っているほか、より自社について理解してもらえるよう、採用ホームページの制作や採用SNS・採用動画の導入を始めております。

そんな中で、実際に求職者が求めている情報は何なのかを知り、より良い採用ツールを作るヒントを得るために、就活を終えた現役大学生4名と大手部品メーカーの人事採用担当者様、大学の就職支援担当者様を審査員としてお招きし、事前にご応募いただいた県内企業6社の企業説明資料、採用ホームページについて様々なご意見をいただきました。

今回はコンテストで得られたポイントをご紹介しますので、ぜひご覧いただき、新卒採用・若手採用の参考にしてみてください。


1)採用ツールプチセミナー

■就職活動の変化

10年前(2014年)の就職活動では、企業に関する情報量が少なく、ナビサイトが就職活動の中心でした。合同企業説明会に行けば、他の学生をかき分けて、志望する企業の情報を何とか手に入れようとブースに並んだり、説明会終了時刻ギリギリまで多くの企業の話を聞いて回ったりすることが当たり前でした。
一方現在(2024年)では、学生のほとんどが企業の採用ホームページや企業説明会で情報を収集しており、またダイレクトリクルーティングの台頭等で、わざわざ説明会に行かなくてもあらゆる企業の情報が簡単に手に入る時代になりました。

就職活動は、この10年でこれほど大きく変化しています。10年前から採用活動がアップデートされていないと、うまくいかないのは当然です。

今の学生は、スマホを使って企業の情報を集めています。学生に自社のことを知ってもらうためには、学生が必要としている情報をスマホ上で手に入れられるよう、HP等の媒体にも手を加えていく必要があります。そしてどんな情報を載せるべきなのかは、機会を捉えて、学生の生の声を聞くことが重要です。

■これからの採用活動で必要な考え方

それはズバリ、オウンドメディアをうまく活用することです。
オウンドメディアとは、「自社で所有するメディア」のことであり、採用ツール等がそれにあたります。
また、採用ツールだけにとどまらず、例えば、企業で働く社員、企業が主催する企業説明会やインターンシップ・オープンカンパニーもメディアにあたります。
採用ツールの充実はもちろん重要ですが、それだけにとらわれず、「この先輩社員に会わせることができれば、志望度が上がるはず」、「このインターンシップのカリキュラムはうちでしかできないから、集客力が高いはず」のように、採用ツール以外の活用も重要になります。

■着地点の意識

採用ツールに求められる具体的な中身については、後述の採用ツールコンテストの概要の中でお伝えしますが、ここではオウンドメディアの位置づけについてお話しします。

例えば以下のような採用フローの場合

採用フロー

ナビサイトから、合同企業説明会への流れはいいですが、そこから応募への距離がある(採用マーケティングでいう“興味”醸成フェーズへの施策が足りていない)というのが課題です。

これは具体的には、「説明会終了後に企業を調べるためのツールに乏しい(もしくはツールがない)」ということになります。

ここでは、求職者とのコンタクト後、求職者はどのようにして企業の情報を調べるのかを考え、受け皿を用意することが重要になります。この受け皿を、私は「着地点」と呼んでいますが、着地点の役割を果たすのが、「オウンドメディア」です。

合同企業説明会参加後に、その企業に対して少し興味を持ってくれた求職者は、企業のホームページを探すことが多いですが、ホームページを見ても採用の情報が載っていない、先輩社員の紹介がされていない、どんな様子で働いているのかが分からないとなると、興味をそれ以上に醸成することが難しく、結果として応募前の離脱に繋がります。

つまり、オウンドメディアをうまく活用し、求職者の興味を醸成することが重要です。

着地点の設定後の採用フロー

■採用ツール中身について

では、着地点さえ用意しておけばよいかと言われるとそうではありません。そこで重要になるのが、ターゲットへの意識です。

例えば、社員の仲が良く社員間の密なコミュニケーションを大事にしている会社があったとします。
その場合、密なコミュニケーションをしているシーン等がしっかり表現されていないと、そこを魅力に感じてくれる求職者は目を止めてくれません。
どんな学生が欲しいのか、そのうえで何を載せるのかが決まってきます。
「○○な求職者が欲しい、その求職者が職場環境に求めているニーズはきっと▼▼だろう」という仮説を立てて、着地点を用意していく必要があります。

そのため、もし仮に学生が欲しいということであれば、近年の学生が求めているものは何かを知ることが重要になるのです。

ターゲットの意識

2)採用ツールコンテスト

■審査員について

 ・学生審査員 4名
 ・企業審査員 1名
 ・大学就職支援担当審査員 1名

■審査対象企業について

 ・企業説明会資料 3社(情報通信業、医療,福祉、製造業)
 ・採用ホームページ 3社(情報通信業、建設業、卸売業・小売業)

■コンテスト概要

各企業の企業説明資料や採用ホームページについて一通りグローカルマーケティングから説明させていただいたのち、1社につき、学生2名と企業担当者または大学の担当者からそれぞれ感想や意見をいただきました。

<企業説明資料に関する意見>
○企業担当者の自己紹介
採用担当者の自己紹介の項目があり、学生との距離が縮まるという点で、高い評価を受けている企業がありました。
説明会を聞く方も、少なからず緊張しているものです。自己紹介を通して、求職者の緊張をほぐしてあげる配慮がポイントでした。

○説明会後の動きを明確に
説明資料の最後に、次に学生にどのような動きをしてほしいのか(インターンシップに来てほしいのか、応募してほしいのか、採用サイトに訪問してほしいのか等)を明確に記してある企業は高評価を受けました。

○伝えたいメッセージを端的に
ある企業の素晴らしい理念について、学生も共感していたのですが、文字数が多い点に意見がありました。どれだけ素晴らしい内容でも、伝わりづらい表現では求職者に届きません。企業説明資料作成後は、求職者目線に立ってわかりづらくないかチェックし、文字数や文字の大きさ、色などを工夫することが大事だと改めて気づかされました。

<採用ホームページに関する意見>
○動画をうまく活用する

動画を掲載していた企業様の評価が高かった印象です。ホームページ自体のボリュームが多いのはいいことですが、少ない時間で多くの情報を求めている昨今の求職者に対しては、動画等で伝わりやすくする工夫も大事になります。その点で、動画の活用は非常に有効であると考えられます。

○写真で雰囲気を伝える工夫
動画と類似しますが、写真でも職場の雰囲気を伝えることができます。
文章だけで多くの情報を伝えられるのは、応募前のかなり興味が醸成された方向けになると思います。ホームページは、どちらかと言えば接点から序盤での着地点になることが多いことから、「これから興味をもってもらう人」向けに情報の提供内容を考えるべきです。

○社員の働いている姿やキャリアイメージを伝える
企業説明資料でも意見があった項目ですが、学生を中心に、先輩社員の働いている様子が知りたいというニーズが高い印象です。職場の雰囲気が決め手になるケースも増えています。
しかし、その情報が掲載されていない企業はまだまだ多くあります。実際に働いている先輩社員がどんな仕事をしているのか、入社後にどのような研修を経て今があるのか、これからどのようにキャリアを歩んでいけるのかをよりリアルに伝えるためにも、必要な項目であると感じました。

いかがでしたでしょうか。学生だけでなく、大手の企業担当者が意識されていること、大学の就職支援の担当者目線でのコメント等もあり、普段なかなか得ることができない情報を得られる機会になったと思います。
実際に審査対象になった企業様からも求職者からの生の声を聞き、すぐに指摘箇所を修正したいですとのお喜びのコメントも多数寄せられました。

今回のコンテストをきっかけに、多くの企業が自社の魅力を伝えられるようになることを願っております。


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