心理職ってどんな仕事?~ある職員のつぶやき~(令和5年8月18日)
■はじめに
みなさんこんにちは
私は、児童相談所で心理判定員(児童心理司)として働いています。
職名を言うと、よく「心読まれちゃう?」「変なこと言ったら、やばい人に分類されない?」なんて冗談で言われることがありますが、実際そういったイメージが多いのでしょうか?
今回は、私の職場の雰囲気も含め、実は心理司ってこんな感じです!という一例をお伝えできればいいなと思っています。
■ざっくり業務説明
児童相談所では、虐待に関する相談やしつけに関する相談、発達状態に関わる相談など、18歳未満の子どもに関する様々な相談を受け付けています。
その中で私たち心理司は、主に子どもを対象に、気持ちを聞き取るための面接をしたり、どんな特徴を持っているのかを知るために心理検査をしたりします。
■こんなこと考えてます
仕事をしている中で何度も思うのは、「どんな人か・どんなこと考えてる人かなんて、完全には分かんないな。でも知りたいな」ということです。心理検査などからある程度の考え方の傾向をつかむことはできますが、人によって細かい部分は違います。また、心理司のキャラクターもあるので、相手との関わり方はその都度考えていく必要があるんです。
「分からない」というのは悩みでもありますが、だから「知りたい」と色々工夫できるとも思うので、この感覚は持ち続けたいなと思っています。
では、相手と関わらせてもらう時にどんな工夫をしているのか、2つご紹介します。
■試していること
妄想する
私の職場では、「妄想だけどね」という前置きで始まる会話がよく繰り広げられています。
妄想なんて怪しい響きですが、ちゃんと意味があると私は思っています。
相手の立場になって考えてみるためには、色々な思考パターンや感情の動きを知っていることが大事だと思います。「○○さんは、こういう場面になったらどうする?」「もし○○な経験をしたら、どう思うかな?」というように、ああでもないこうでもないと色々なことを話したり聞いたりしていると、自分では思いつかないアプローチの方法(声かけなど)に気づくことがよくあります。
また、「妄想」という言葉を使っているのは、“あくまで自分の想像であって間違っている可能性もあるぞ”と常に意識するためでもあると思います。前項とも重なりますが、“分かった気にならない”と自分に言い聞かせるためにもぴったりな表現かもしれません。
いいこと探し
もう一つ私が心がけているのは「いいこと探し」です。この職場にいると、皆さん日常の中のいいことを探すプロだなあと感じます。相談者の方にもよくお伝えしていることですが、同じ場面でも、どこを切り取るかでまったく見え方が違ってくるんです。
(例)うちの子は自己主張が苦手で、同級生からからかわれても言い返せないんです。それで家に帰ってきてから暴れて、後で理由を聞かないと答えてくれないから、いつも家族は戸惑うんです…。
☆親のいいところ☆
・子どもの得意・不得意を分かっている。
・子どもの言い分を聞いてあげている。
☆子どものいいところ☆
・落ち着いたら、状況や自分の気持ちを言葉で説明できる。
・信頼している人にSOSを出せる。
同僚や先輩と話していると、思いがけないところで褒めてもらい自己肯定感が上がります。同じように相談者の方自身が気づいていない「いいこと」をお伝えできるように、いいとこ探しのクセをつけていきたいなと思っています。
■最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました。
正解が一つではない仕事なので悩むことも多いですが、一緒に考えてくれる先輩・同僚がきっといます。そして、その仲間になってみたいなと思ってくださった方がいたら、とても嬉しいです。職員一同お待ちしています!
ありがとうございました!本日は福祉行政(心理)の回でした。
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