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個別コンサルティング支援事例紹介④
前回に続き、個別コンサルティング事例4つ目のご紹介です。
ぜひ参考にされてみてください。
<事例4> ~自社の求める人物像の採用戦略~
企業名 株式会社越佐ロード
業種:建設業
所在地:新潟県佐渡市栗野江1259番地1
従業員数:11名
会社紹介:新潟県佐渡市に本社があり、道路の舗装や除雪で新潟県内のライフラインを守る地域密着型企業です。
◆課題
・建設業の高齢化と人材不足解消を目指し、新卒採用・高卒採用を進めているが、なかなか計画通りの採用にはつながっていない。
・若手の採用も視野に、現在は舗装系YouTubeチャンネル開設(登録者685名 ※2024年12月現在)や、ハローワーク・新潟県などが開催している会社説明会への参加、学校訪問・学内企業説明会への参加などを行っているが、採用担当が専任ではないため、他業務と採用業務のバランスについても課題を感じている。
◆目標
・佐渡本社と新潟事務所の両事務所での人員増を目指したい
・人員も必要ではあるが、求める人物像にあった採用を行いたい
佐渡に本社をおいており、新潟事務所も含めた両事業所の拡大を目指していますが、現状人手が全く足りていないということではないため、しっかり価値観のあった人材を丁寧に採用していく方針で進めたいと考えています。したがって、SNS周辺の整備なども含めたブランディングを構築していく方針で進めることになりました。
◆支援内容
ステップ①採用計画・求める人物像の言語化
第1回では、採用計画を考え、必要な職種・人数などを検討し、求める人物像の要件を整理しました。
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長期的な採用を行うにあたり、ターゲットとなる人材の要件定義を行い、
・舗装を通じて、地域貢献をしたい
・向上心がある
・協調性がある
などがターゲットの要件としてまとめられました。
また新卒と中途でそれぞれの職場環境に求めるニーズや不安材料などをまとめ、今後は必要な情報提供を行えるように発信を行っていきます。
【採用目標の考え方】
・採用目標を考える際には、経営計画を元に、必要な人数、いつまでに必要なのか、人に代わってAIなどが活用できないか等を検討してみてください。
・中途採用において、求職者は特に即戦力として活躍したいと考えるため、職種名は実状に近くなるように具体的に書くことをおすすめします。
・新卒も中途もある程度の育成も考慮したターゲット設定が必要です。
ステップ②自社で働く魅力の整理
第2回では、EVP(Employee Value Proposition)=企業が従業員に提供できる価値、自社で働く魅力について改めて考えてみました。
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ターゲットに響く越佐ロードの働く価値として、上記のようなことがあげられましたが、その中でも特に
・成長できる環境(小規模で様々な経験をさせてもらえる、資格取得を積極的に行っている点など)
・チームワークを発揮できる職場(舗装という業種上、職場連携が多々行われるため)
この2つをメインの訴求ポイントとして採用活動を進めていくことになりました。
【中途採用のためのハローワークの活用】
・ハローワークでは、かつてのFAXでのやり取りではなく、インターネットサービスを使ってネット上で求人の公開などをすることができるようになりました。
また、インターネットサービス上で「求職情報検索」ができ、ハローワークに登録された求職者の情報(名前などは見れません)を確認することができます。例えば、有資格者や希望勤務地などで検索をかけることで、ある程度の情報を見ることができます。
ステップ③求める人物像に自社の情報を届ける戦術の設計
第3回では、どのように求職者へアプローチするのかを採用サクセスマップを使って設計しました。
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新卒採用と中途採用で分けて採用戦略を構築しつつ、
新卒採用と中途採用のいずれも、比較的費用をかけずに認知を獲得し、情報提供フェーズでいかに魅力を訴求していくのかに注力した戦略を立てていきました。
新卒の採用では、学校軸での認知獲得を目指し、すぐに応募ではなく、まずは見学に来てもらうことで、魅力の訴求をすることになりました。舗装という業種上、現場の動きがわかりやすく、見学に来てもらうことで仕事のやりがいも伝わりやすいためです。
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中途採用では、認知から漏れなく応募につなげられるよう、SNS、YouTubeなどでの情報提供から、うまく応募数を獲得していく仕組み検討しました。
しかし、SNSの活用は時間がかかることも多いため、なるべく時間をかけずに、かつ魅力的なSNS運用について、個別支援の中で進めていくことになりました。
◆担当コンサルタントよりコメント
採用担当者様の積極的な採用活動への取り組み姿勢からも、採用力が高い会社であると感じました。あとはどのように動いていくのかの部分を整理できれば、着実に採用できると考えます。また、ユースエールを取得しているなど若手が活躍しているという環境をどんどん採用活動でも伝えていけると、より成果に繋がっていくと感じます。
◆企業担当者様コメント
○当事業の個別支援に申し込んだきっかけ、経緯
60代70代の引退が相次いでおり、人材を確保する必要があるため、積極的に人材育成を行っており、ユースエールも取得しました。しかし、離島・建設業・小規模法人・予算ゼロ・知名度ゼロという悪条件もあり、応募自体が少ないのが現状です。
採用方法にも迷いが多いため、専門家のご指導いただき採用力を上げたいと考え、今回の個別コンサルティングに申込みをしました。
○課題やターゲットの整理、EVP(企業が従業員に提供できる価値)などを話し合う中で感じたこと
手当たり次第に動くのではなく、「次につなげる」ことを意識するようになりました。
越佐ロードの文化や価値観に合った人材かどうかを見極め、丁寧に採用したいと思うようになりました。
Instagramの活用が効果的であることをご教示いただいたので、YouTubeとは違う方向で運用を始めたいと思っています。
○実際に支援を通じて、感じたことや意識・社内の変化など
11月末時点で、新卒1名、中途2名(40代1名・20代1名)を採用することができました。
個別支援だけでなく、県が実施している採用力向上セミナーなども活用することで、採用力が上がったことを実感しています。社内にも「新しい人を受け入れ、育てていく文化」ができつつあります。
若い方を採用すると、育成が課題となります。
免許や資格の取得だけにとどまらず、人間としての成長に繋げていけるよう会社としても努力していきたいと思います。
結婚・出産・育児・介護などの人生のステージに応じて、無理のない働き方ができるよう心を配っていきたいと考えています。